口腔外科・顎関節治療
口腔外科
口腔外科とは
口腔外科では親知らずの抜歯、歯の移植・再移植、顎関節症の治療(口が大きく開けられない・口を開けると音がする・顎が痛いなど)、睡眠時無呼吸症候群、歯ぎしり(ブラキシズム)の診断および診療などを行います。
また、転倒・衝突により歯を強く打った・口の中を切ってしまった・顎を強く打ったなど、外傷の処置にも対応・治療を行います。
親知らずの抜歯
親知らずとは、一番奥に生える上下合わせて4本の永久歯(第三臼歯)です。親知らずの状態はひとによって異なり、親知らずがない、あるいは全部そろっていないひともいます。
親知らずは永久歯が全部生えそろってから出てくるので、歯を支える骨格が小さくなっている現代人の場合は、親知らずが生えるスペースがなく、歯の列から外れたところから生えてきたり、斜めや横向きに生えたりするケースが多く見られます。
そのため親知らずは様々なトラブルの原因となり、場合によっては抜歯が必要となることもあります。
なお健康で問題のない親知らずは、移植・再移植に備え温存することも可能です。
親知らずによるお口のトラブル
- 親知らずの生え方によっては歯周ポケットが深くなり、細菌が溜まることで感染性の炎症を起こします。
- 親知らずの周辺は歯磨きしにくく、隣の歯(第二大臼歯)がむし歯治療になりやすくなります。
- 顎の関節が痛くなる、歯並びが悪くなるなど
事故や怪我で歯が抜けてしまったら
怪我で歯が抜け落ちてしまった場合、一刻も早く歯医者を受診してください。歯が抜け落ちた場合、まずご自身で元の位置に戻してみましょう。歯が汚れてしまった場合は水道水で洗ってから戻します。ただし、水道水に長時間歯を漬けると歯根膜が死んでしまうため、洗うのは30秒以内が適切です。
抜けた歯を戻せない場合は、お口の中に入れて保存をします。歯を唇と歯ぐきの間に入れておくと飲み込む心配がありません。もし、すぐ牛乳が手にはいるなら牛乳の中に保存しましょう。正しい状態で歯を保存してお持ちいただければ、歯を元に戻せる可能性が高まります。
顎関節症の治療について
顎関節症とは
口周りまたは全身に痛みなどの症状が現れます
顎関節症(がくかんせつしょう)とは、あごの関節とその周辺に生じる障害のことを言います。「噛むと耳の付け根やこめかみが痛い」「口が開けられない」「口を開けると音がする」などが主な症状で、それらに関連して頭痛や首・肩・腰のこり、耳鳴り、目の疲れなどが現れることもあります。
顎関節症の原因
関節や筋肉に慢性的に負荷がかかることが大きな原因です
顎関節症は、あごの関節や食べ物を咀嚼(そしゃく)するときに使う筋肉に、長時間または慢性的に負荷がかかることが原因となり発症します。その結果、咀嚼筋の障害や関節靭帯の炎症・損傷、関節の位置の異常、変形性関節症などが生じます。
顎関節症の治療方法
薬物・運動・スプリント療法などが挙げられます
顎関節症の治療方法としては、痛みを軽減したり筋肉のコリをほぐしたりする薬物療法や関節円板の位置を元に戻す運動療法などがあります。また関節や筋肉への負担を軽減するスプリント療法など、これらを併用しながら行っていきます。
夜間の睡眠時にスプリントを装着し、歯ぎしりや食いしばりを防ぎます
スプリントとは、いわゆるマウスピース型の補助器具のことです。素材は半透明のアクリル樹脂で、患者さんお一人ひとりの歯型に合わせて作製し、装着していただきます。スプリントは自由に取り外すことができます。
スプリント治療の目的は筋肉の緊張を和らげて睡眠時の歯ぎしりや食いしばりを軽減させることなので、当院では基本的に夜間の睡眠時にだけ装着するようにとお伝えしています。ただし、症例によっては日中または長時間にわたって使用していただくこともあります。
顎関節症にも有効なボトックス治療
ボトックス治療に用いる「ボツリヌストキシン」は、ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種で、筋肉を緩和する作用があるため、就寝中の歯ぎしりや食いしばりを解消し、顎関節症の症状を和らげられます。
ボトックス治療は、顔のシワ取りなどにも用いられる治療法ですが、近年では噛む力を調整するために歯科治療でも用いられています。